競馬コラム

高松宮記念に出走したアイラブテーラーについて

すでに遅い話題ですが、先週開催された中京のGⅠ競走、高松宮記念に出走したアイラブテーラーですが、1着馬から実に13.2秒もの差で大敗しました。当然シンガリでのゴールであり、17着馬からも11秒も離されていました。20馬身くらい離された大惨敗でした。

アイラブテーラーという馬自体は、それまで連対率100%。重賞2着の実績もあり、前走はリステッド競走も勝利している実力馬で、この大敗はいくらなんでもというところでした。

アクシデントなどでそうなったのであれば仕方ないのですが、どうにも腑に落ちないところがありましたね。

 

問題は、出走馬の中で唯一直前の追い切りを行っておらず(レースを使う馬が直前追切しないなんてかなり稀)、馬の状態がかなり悪かったのではないかということ。単に状態が悪かったではなく、普通ならレースに出さないレベルだったのではないかと。

追切をしてないという情報は、調べれば誰でも手に入るので、戦績の割には10番人気と低評価で、やはり直前追切をしてないという点を不安材料として切った人は多いのでしょう。しかし、普段から調教を自己の予想ファクターとして使ってない人の中には、それに気付かずに、単にオッズが美味しいと思って買った人もいるかもしれません。

 

競馬ファン、馬券購入者からすれば、レースにならない状態で出走させてくるな、というところなんですが、そんなことより問題なのは、これって競馬法に抵触してやいないかということです。

 

日本中央競馬会施行規約、第2章第6節第41条にはこう書かれています。

競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない。

http://jra.jp/company/about/law/←こちらから確認できます。

実際にアイラブテーラーがどういう状態で、陣営がどういう意図をもって出走させたかは知る由もありませんが、調教過程と結果から推察するならば、勝てると思って出走させたとは思えません。

勝つ気がないけど出走させるのと、勝てそうにないけど出走させるのとではまた違うとは思いますが……。本当に状態が悪かったとしたら、もしかしたら勝つ気もなかったのではないかとさえ思えます。

ネットでは、オーナーがGⅠ初出走だから記念にどうしても出走させたかった、という憶測も流れています。これはあくまで憶測で真偽は不明ですが、そういうことも有り得るなと十分に思えます。

 

しかし、そういう部分をあまり厳密にしていくと、未勝利戦などで二桁着順を続けるような馬を、本当に勝利を得る意志をもって出走させているのか、という疑問も出てきます。そしてそれらを、勝つ気で出走させてませんよね? としていくと、ほとんどの馬がアウトになってしまい、競馬がなりたたなくなります。

この規約は、シンプルな書き方をしてありますが、要は、なるべくその馬なりに万全を期して出走させてね、という意味合いを多分に含んでいるものと思われます。能力が足りなくて勝つ見込みは薄くても、適当に出走させてくるなと。

 

しかしそれでいくと、やはり件のアイラブテーラーはアウトに近い気がします。本当に状態が悪かったというのが前提ですが、万全を期していたとは言えそうもないので。

 

馬主目線から見て、記念出走させたいというのは解ります。しかしそれは、完全に100%の状態と言えないまでも、少なくともレースができる状態あってのものではないでしょうか。

馬がかわいそうと言うつもりはあまりありません。それを言い出したら競馬ファンやめなければならないので。しかし、経済動物だしと割り切るとしても、悪い状態での出走が長い目で見て、プラスとはとても思えません。

 

出走させるからにはせめて及第点といえるような状態で出してほしいです。レースの格に関わらずですが、特にGⅠともなれば馬券を買う人も増えるし、その中には、この馬が好きだから買うという人もいるでしょう。その場合、養分だとか思慮が足りないとかは関係ありません。好きだから買ったのに、実は陣営は全く勝てるとも思っておらず、勝つ気すらなかったとなれば、これは失礼な話です。いくら馬券は自己責任といえども、馬券を買うファンあっての競馬というのを考えてほしいです。

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